確かな技術力と経験
ピーエスの歴史は長く、1960年に日本で初めて産業用の加湿器の製造販売をはじめました。1969年には温水暖房ラジエータPS HRヒータを製造しており、その技術力から1972年の札幌オリンピックの選手宿舎などでも採用されています。のちに、日本の気候にあった除湿型放射冷暖房PS HR-Cを開発。世界で始めて冷房と暖房を兼ね備えたラジエータを創りました。当初は「人」が快適に過ごせるよう、活動空間の質を高めることを目的としていましたが、今ではお客様のご要望もあり、「人」だけでなく食品やワイン、生花など様々な用途への応用が広がっています。ピーエスはいつでもお客様に寄り添い、湿度と温度のプロとして、お客様の求める空間を創り続けます。
放射で包み込み、安定した温湿度環境を提供
ラジエータの中には10℃前後の冷水が流れており、放射と自然対流によって醸造酒や野菜、熟成が必要なチーズにとっての至適な温湿度環境を生み出すことができます。風を起こす空調とは異なり、放射によって醸造酒や野菜、周辺の壁、床、天井を直接冷やすため、ドアの開閉に伴う空気流入の影響も最小限に抑えます。
※PSカンティーナ概念図
自然対流がつくる温度差で、効果的に冷却
空気の特性として温かい空気は上へあがり、冷たい空気は下へと移動します。このような空気の温度差により空気が循環することを「自然対流」といいます。この自然対流がつくる上下の温度差と、ラジエータからの距離によってわずかに違う温度の差を利用し、例えばワインであれば、特性や飲み頃の温度、あるいは熟成期間などお店の用途に合わせて配置することで、品質管理をすることができます。
空気の温度より低い、ワインの温度。
東京、虎ノ門で会員制のレンタルワインセラーサービスを提供しているLa cave M様は、PSカンティーナを導入しています。
PSカンティーナの環境を生み出すものがラジエータである製品PS HR-Cになりますが、設置されてあるPS HR-Cの場所を基点として、温湿度の測定をさせていただきました。
2020.07.29測定
調査場所
①PS HR-Cが個別セラー前に設置されている場所
PS HR-Cのパイプの中を流れている冷水の温度は8℃です。冷たい水が流れるPS HR-Cは周囲の表面温度を下げ、空気を冷やします。個別セラーの表面温度が上・中・下とわずかに違うのは、冷えた空気が下に流れていくから。それでも、その上下の温度差は1.7℃に抑えることができています。
②PS HR-Cから少し離れた場所の個別セラー
調査場所①と比べて②の方がわずかに温度が高い理由は、①の方がPS HR-Cの近くに個別セラーが設置されているからです。PS HR-Cが冷やした空気が直接、調査場所①に流れていることが影響しています。
③入り口付近のワインラック 上段・中段・下段
ワインボトルの表面温度は、ワインそのものの温度となります。個別セラーの上・中・下段は少し温度差はあるものの、上段にあるワイン表面温度は約15~16℃、中段は14~14.5℃、下段は12~13℃と安定しているのがわかります。
温度について
2020年8月20日〜9月10日まで調査を行いました。外気の温度は赤枠で示されており、当時は建物がある周辺の温度が日射などの影響によって、外気温度が40℃超える日もありました。しかし、そのような暑い日でもセラー内の温度(青枠で示しているもの)は安定しています。
外気温度の影響を受けることなく、セラーは一定の温度を保つことができるため、安心してワインの保管をしていただけます。PSカンティーナを導入する前に、その土地の環境を調査し、PS HR-Cを計画的に配置することで、安定した室内気候を実現しています。